◆タイトル：「心理的『裂け目』からみる村上春樹作品〜現代のマンガ・アニメ」
　現代の日本の文学・マンガ・アニメなどには、前エディプス的な融合的関係への願望・全能感・喪失や分離の不安などの表現が多くみられるようになった。この発表では村上春樹の作品から、日常の「裂け目」として現れる空間の表現をいくつか取り上げて、対象関係論の幼児期の象徴形成と比較して考える。
　『ダンス・ダンス・ダンス』の羊男のいる空間、『ねじまき鳥クロニクル』の井戸の壁を抜けた先の「ホテルのような場所」は、日常に開いた異空間であり、心理臨床でいうホールディングやコンテインの場でもある。マンガ『ドロヘドロ』の「穴」（ホール）、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の異空間表現についても考える。

◆発表者：田中 雅史先生（甲南大学文学部教授、京都文教大学客員研究員）
ご著書『幻滅からの創造―現代文学と＜母親＞からの分離』『ナルシシズムの力―村上春樹からまどマギまで』

◆会場：京都文教大学常照館2階　J217　ダンス療法室

◆対　象：学生、教職員、研究者など（ご興味がある方はどなたでも）

◆参加費、申し込みともに不要です。

◆お問い合わせ：京都文教大学研究支援オフィス　メール：kyoumu2@po.kbu.ac.jp