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「あそびの広場」だより(2023年6月29日更新)
こんにちは。
ぶんきょうサテキャン伏見大手筋、あそびの広場です。
みなさん、熱性けいれんを知っていますか。
熱性けいれんというのは、その名のとおり、発熱に伴ってみられるけいれんのことです。
通常、生後6か月~5歳くらいの子どもに見られます。
けいれんしている間は周囲の呼びかけに対して反応はなく、5分以内にけいれんはおさまります。
調べてみたら日本人では10~15人にひとりの割合で熱性けいれんが起こるそうです。
熱性けいれんの予後は、たいていの場合良好で、特別な治療もほとんど必要がありません。
しかしながらけいれんを起こしている時は意識もなく、息を止め白目をむいて体を突っ張る姿はなかなかショッキングです。
実は私の息子も熱性けいれん持ちの子でした。
初めてけいれんが起きたのはまもなく2歳になる頃。
その夜、なんだか息子の元気がないので、熱を測ったら37.5度。
あらあら風邪でもひいたのかな、今日は早く寝かせようと思って、息子をテレビの前のソファに座らせて、私は急いで寝かせる準備を。
布団をしいて戻ってきたら息子はソファに横になっていました。
...ん?なんか変?なんかぴくんぴくんしている?
近づいて顔をのぞきこんだら、なんとけいれんしながら白目をむいて口から泡をふいていました。
小さく悲鳴を上げ、名前を呼んで強く揺さぶりました。
でも目覚めない。
熱性けいれんなんて聞いたこともない私は、何が起きているのか皆目見当もつかず、ただ目の前の状況にあわてふためくばかり。
そしてすぐに救急車を呼びました。
これも初体験。
あわてすぎて119だったか199だったかも思い出せないんですよ、そういう時って。
あてずっぽうでボタンを押して、「はい消防です。火事ですか、救急ですか」と聞かれ、
いっぱいいっぱいの中でなんとか症状を伝えて救急車に来てもらいました。
たぶん救急車が来た時にはすでにけいれんはおさまっていたと思うのですが、意識が戻らないので、私はべそをかきながら名前を呼び続けました。
本当に死ぬかもしれないと思ったんです。
ドラマに出てくるあんな感じです。
ようやく病院につき診察室に入ると、息子はうつろながら意識が戻っていました。
そして急に大量に吐きました。
診断はもちろん「熱性けいれん」。
しばらく熱のせいなのかけいれんのせいなのか吐き戻したせいなのか、うつろな目をしていましたが、その後数日で元気になりました。
あとから思えばたいしたことなかったんだと思います。
でもその時は本当の本当に怖かったです。
粛々と任務を遂行してくださっていた救急隊員の方も、本当は心の中で「大げさだなー」と苦笑いしていたかもしれません。
さてこの時の私は、初めてだったので上手に対処できませんでした。
もしかしたらこれから同じ体験をされる方がいらっしゃるかもしれませんから、正しい対処を覚えておきましょう。
熱性けいれんが起こるタイミングは、熱が急激に上がる時が多いです。
そのタイミングでけいれんをしたら熱性けいれんかもしれないと、まずは知っておくこと。
そして、けいれんが起こったら、揺さぶらずに静かに横向けにします。
けいれんすると胃も一緒にけいれんすることがあり、吐き戻すことがあります。
この時吐いたものでのどを詰まらせることがあるので、あおむけは危険です。
吐いたものがちゃんと外に出るようにするために横向けにします。
舌をかまないためにと昔は口にスプーンをつっこんだりしたようですが、それはしてはいけません。窒息の恐れがあります。
そしてけいれんが起こったら、けいれんしている時間を測ります。
何分間けいれんしているかを見て、5分以内であれば大丈夫です。
落ち着いてから受診しましょう。
5分以上続くようであればすぐに救急車です。
またけいれん中、余裕があれば(初めてでは難しいと思いますが)手足のけいれんの様子や、眼球の方向も見ておくと、あとでお医者さんに伝える時にスムーズです。
また熱性けいれんを起こす子の3割は、一生のうちにまた熱性けいれんを起こす可能性があります。
遺伝要因も強く、おとうさんかおかあさんのどちらかが、小さい頃に熱性けいれんを起こしたことがある場合は、お子さんが熱性けいれんを起こす可能性も高くなります。
この間ニュースで、子どもの夏風邪ヘルパンギーナが大流行していると報道していました。
全国各地で警報基準を超えているそうです。
ヘルパンギーナだけでなく、RSウィルス、アデノウィルス、溶連菌なども流行っているそうです。
コロナも沖縄の方では医療ひっ迫レベルになっているそうですし、夏なのにインフルエンザにかかる方もいらっしゃるようです。
この夏、お子さんが発熱することもあるかもしれません。
熱性けいれんは症状が華々しくて、なった時にとてもあわててしまいます。
こんなこともあるかもしれないということを知っておくだけで、いざという時に少しだけ落ち着いて受け止めることができるかもしれません。