Event info

宇治市 松村淳子 市長と京都文教大学 森正美 学長との懇談会が開かれました。

2007年6月14日に宇治橋通商店街に「京都文教サテライトキャンパス宇治橋通り」(以下、サテキャン)を設置し、2022年度に15周年を迎えることができました。
宇治市と京都文教大学は2007年度に包括連携協定を締結し、本学はサテキャンを拠点に宇治市内で様々な活動を皆さんと一緒に取組んでいます(「京都文教大学の取組」については、コチラを参照)。

今回、宇治市が目指す「子育てにやさしいまち うじ」をテーマに、宇治市  松村 淳子市長と京都文教大学 森正美学長が 未来の宇治のまちづくりと本学の地域連携活動に生かすため、 懇談いたしました(進行:京都文教大学 地域協働研究教育センター 松田美枝センター長)。


DSC_0144 - コピー - コピー.JPG

子どもから大人まで、地域の皆で育ち合う 「子育てにやさしいまち うじ」


<松村市長>
現在、子育てを取り巻く状況として、少子化を筆頭に様々な課題があり、子ども自身が育ちにくい環境になっていると思っています。

「子育てにやさしいまち うじ」のターゲットは、どちらかというと親御さんを中心ではなくて、子どもが中心なんです。
だから「子育ち」の世界で、子どもが育つ環境をどのように整えていくかが重要であると考えています。
それには、子育て支援・保護者支援の視点だけで無く、地域や企業も巻き込み、地域全体で子どもが育つ環境をつくりたいっていうのがベースにあるんです。
一方で、社会を取り巻く環境は日々変わってきており、多様なニーズが見受けられます。

そのような中、行政は、直接子どもや親御さん、地域の方と関わり、現場の声を拾い上げながら支援のあり方を考えています。
地域全体で、「子育てにやさしいまちづくり」に取組むことを考えると、行政の中でも一つの部局でできるものではないので、部局を横断してプロジェクトチームという形の中で取り組んでいます。
それらの取組みや既存のビッグデータを見える化して、市民の方にわかりやすくお伝えし、次の展開に広げていきたいと思います。
そうしていくことで、ニーズを把握していきたいと考えています。
今後、宇治市で子どもを育てるっていう判断をするときに、若い人たちが、今の形のままでいいのかっていうと、多分、ニーズが変わってくるのだろうと思うんですよね。
それからいくと、常に進化していかなあかんのかなと。
進化できる仕組みにしていくことが、一番必要なのかなとは思います。

<森学長>
サテキャンをはじめ、宇治で色々なワークショップを学生たちと、ずっとやらせていただいて思うことは、子どもを対象としたイベントを実施することを通して、保護者の方も子どもの目線で一緒にまちを感じているのかなということです。
例えば、子どもにとって安全なまちであるのか、安心して遊べるまちであるのか等という風に。
親御さんも一緒にイベントに参加することで、家族の中だけでは見えないような子どもの価値観みたいなものを共有する機会となっています。
家族間を改めてつなぐことが出来るということは、大学生のプロジェクトの特徴でもあると思います。

イベント実施後のアンケートからも、子ども向けのイベントは、決して子ども向けにとどまらないということを、ものすごく実感しています。
イベントをきっかけとして、保護者同士がつながって語り合えるようになったり、地域の中で多様な人が関わって、色々な視点で考えることができたり、色々と相談できる人ができたり、地域について知ることとなったり。
自分が責任を持って子どもを育てるっていうことは大事だけど、でもちょっと肩の力が抜けるというか、もうちょっと視野が広がるという感じがありますね。

<松村市長>
地域の中で、子ども自身が色々な経験や体験をするのと同じように、保護者の方々も様々な経験、体験をされてる状態なのかなっていうのを思いますよね。
もともと子育て、子育ちは、基本的には地域で人がどんなふうに育つか、生活する部分の仕組みづくりなのかなと。


学生が育つことで、地域も育っていく


<森学長>
地域の中で学生が活動させていただくことで、家族以外、学校の友達以外の人と出会えるっていうのは、本当に大きな経験です。
学生たちが、そういう経験せずにいきなり大人に出会う場面となると、就職の面接でいきなり企業の人と会うとかっていう形になってしまします。地域で活動することは、大人をどう信じていいのかとか、どう人と接していいのかとか、本当に経験的に学んでいく機会でもあります。

時代の変化という意味でいくと、授業を通して感じるのは、学生は「地域」に対してすごく関心が高いんですね。
つながりがなくなってるっていう実感は学生たちの中にもあって、そういう対面でのコミュニケーションみたいなものが、どうしたらいいか分からないっていうことに気が付いたときに、地域での経験みたいなものがすごく生きてくるというか。
本学の特徴は、元気でやる気のある子だから地域と関わっていく学生ももちろんいますが、ゆるゆると何となく、例えば本学の地域連携学生プロジェクト「宇治☆茶レンジャー」の学生たちの中でも、宇治茶を通じて少しずつ地域の方たちと関わっていって、だんだん話ができるようになったり、自分が伝えられる側になっていくっていう感じです。
卒業後もイベントを開催するとたくさんの卒業生が参加してくれますね。
本学は2026年に30周年を迎えるので、来年、再来年ぐらいには卒業生が1万人になるんですね。
だから、もう一回、あらためてこの地域との関わりとか、こっちに戻ってきて就職したいっていう学生とかもやっぱりいるので、そういうところとどう結び直せるか、考えています。

企業の皆さんと話してても、今の若い人たちに身に付けてほしいところっていうのは、興味を持つとか、面白いって思うのはこういうことなんだっていう体験、スイッチを入れるところも必要かなと。そこは本当に重要だと思います。

<松村市長>
私がまちづくりをしたいのは、人が好きだからなのですけれど、色々な方とつながることによって、歩んでいく道が多様性になっていくような状態やと思うんですね。まだまだ伸びしろのあるところっていうのは、ベースの考え方かなと思うんです。
だからこそ、大学の学生さんと色々なことをやることによって、地域のご年配の方も変わっていくと。極めつけが宇治市高齢者アカデミーだと思います。

<森学長>
若い人と接してまだまだやるぞって思ってる先輩のシニアの皆さんに出会うので、学生たちも、自分ができひんとか言えないみたいになって。
逆に可能性というか、若いだけで可能性の塊やみたいな感じで、やっぱりすごく言われるので。
そこでスイッチ入るみたいな、伸びやかになっていくっていうのは、それをみて、目的を認識するようになると思います。
やっぱりあるなって思います。
そういう出会いがいっぱいあると、本当にいいなって思うんですよね。


「第二のふるさと、宇治」


<森学長>
地域で人と関わって、人を育てるって、まちづくりは、やっぱり人づくりだと思うので、そういう意味では、「子育てにやさしいまち」っていうのは、結局、人を育てるのに温かいまちだということだったのかなと思います。
なので、一緒にいろんなことをさせていただきながら、私たちも大学だからできることでもあるし、大学でもできることでもあるし、京都府の私立大学での中で、「地(知)の拠点大学」として本学が最初に採択され、地域のハブとしての役割があると思っています。
またホームタウンである宇治市は私たちにとって、かけがえのないまちです。

最後に市長にお伺いしたことは、約2000人の学生が学んでいて、その学生たちにとって、宇治のまちとか、宇治のまちでの経験っていうのが、どういうものになっていったらいいなっていうふうにお考えになられているでしょうか。
もう私は長らく、やっぱり宇治が学生たちにとっての「第二のふるさと」になってほしいっていうのがあるので、なるべく沢山の学生たちに、宇治のまちのことや、宇治の人と出会ってほしいし、経験してほしいっていうふうに思ってるので。
だからこそ、なおさらこういうこと一緒にできないかとか、学生たちはこういうことを求めてるとかっていうこと、結構、率直にいろいろお話しさせてきていただきました。

<松村市長>
私自身は、まちづくり、人づくりをしたいっていうのがベースとしてある状態の中で、行政って、やっぱり何か打ち出していかなあかんところやとは思うんです。
その中の一つに、「子育てにやさしいまち」づくりっていうのをベースとしてあるんです。
人そのものが、やっぱり交流できてこそ、まちがつくり上げられていくってふうに思ってるんです。
企業の方がこちらにお勤めになられてるっていうのもそうですけれども、大学生としてここに、そういう意味では住んでいらっしゃる方もいれば、昼間、通ってこられる方もいるという状態の中で、それ全体で、やっぱり、まちづくりっていうのをしていくべきなのかなという風に思ってるんです。

だからそういう意味では、大学生活の4年間、宇治のところで関わっていただいてる時間って、これ、多分4年から2年間の中で、随分、長い時間を宇治市の中で過ごしていただいてる、関わっていただいてる状態やと思うので、それをしっかり見据えたまちづくり、人づくりっていうのが必要なのかなというふうには思っています。

それからいくと、2000人の学生の方々が、最終的に「第二のふるさと」って思っていただけたら大変ありがたいことと思います。
宇治で過ごしてた時間が、やっぱりその人の人生の中での、一つの分岐点、その人の人生観に関われるような空間であったり、時間であったりっていうのを生み出せたらなというふうには思います。
それが地域づくりの中で、宇治市に住んでいらっしゃる方々との交流なのかもしれないですし、子どもというところに対しての関わりなのかもしれないですし、専門分野のところを生かされたご活躍の場なのかもしれないと思いますし。

地域は勿論のこと、大学にも宇治市にもプラスになる取組に対して、最終的な目的をしっかり明確にして、そこをしっかり共有した上で、推進していくのがいいのかなとは思ってるんです。
まちづくりをしたいっていうのがベースですので、その中でご一緒したいと思っています。
DSC_0141 - コピー - コピー.JPG
ページトップに戻る