地域連携&イベント

【報告】京都文教学園110周年記念事業 京都文教大学地域協働研究教育センター開設記念 「宇治学フォーラム」を開催しました。

2月15日(日)、「宇治学フォーラム」が本学で開催され、約80人が参加して熱い議論を交わしました。このフォーラムは、本学地域協働研究教育センター地域志向協働研究共同研究プロジェクト「官学連携による『宇治学』副読本作成と現場での活用に関する研究」の研究活動を広く地域に広報し、理解を得るとともに、問題意識を共有し今後の研究活動の推進に役立てるために開催したものです。

「宇治学」とは、宇治市内の小中学校で行われている総合学習の名称です。「宇治学」の学習を通して、地域の伝統や文化などを学び、児童生徒が、地域社会の一員としての自覚を持って「ふるさと宇治」を愛し、よりよい宇治を築こうとする自主的、実践的な態度を育んでいけるよう、取組の充実・深化を図っています。
フォーラムでは、宇治茶関係者、観光関係者、行政、研究者が登壇し、それぞれの立場で、「未来に残し伝えていきたい宇治学」というテーマで語っていただきました。副読本作成の推進役である市橋公也・宇治市教委総括指導主事は、「宇治学」副読本は、教員の負担を軽減するとともに、探究的な学習を行い、次代を担う人材を育成するための必要な教材であると、その意義を強調しました。平野正人・宇治市歴史まちづくり推進課参事は、秀吉が築いた宇治川太閤堤跡を例に挙げ、新たな宇治の魅力を発信することが必要であると述べました。多田重光・宇治市観光協会専務理事は、市民自らが宇治の魅力を自覚し、市内を案内できるようになることが重要であると指摘しました。通円祐介・株式会社通圓二十四代当主は、宇治市内の子どもが他地域の子どもと比べてお茶に詳しいことに触れ、宇治学の成果は出ていると話し、継続に期待を示しました。本学の教員で地域協働研究教育センター長でもある森正美は、最近の学生の印象を基に、体験を重視するPBL型学習の重要性を示しました。また、「宇治学」が宇治のことに留まるローカルな学習ではなく、そこを起点にグロ―バルな視点を持った学習になることが重要であると指摘しました。会場からは、「どういう基準で宇治学の成果があったと評価するのか」「宿泊施設が少なく、日帰りの観光客が多いのが問題なのではないか」「宇治茶をペットボトルでもっと販売したらいいのではないか」「子どもから大人までが宇治のことを議論する宇治学学会を作ればいいのではないか」など、多数の意見や質問が出て、関心の高さが伺えました。
このフォーラムにより、多くの人に「宇治学」に関心を持ってもらい、宇治の魅力について改めて考えるきっかけになったことが、本フォーラムの最大の成果でしょう。

当日の様子

左:橋本祥夫(京都文教大学 臨床心理学部教育福祉心理学科准教授)
中:市橋公也氏(宇治市教育委員会 一貫教育課 総括指導主事)
右:平野正人氏(宇治市 都市整備部 歴史まちづくり推進課参事)

左:多田重光氏(公益社団法人 宇治市観光協会専務理事兼事務局長)
中:通円祐介氏(株式会社 通圓二十四代当主)
右:森正美(京都文教大学 地域協働研究教育センター長)

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