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2024.12.20
【認定NPO法人D×P 今井紀明氏】講演会「生きづらかった私が、生きづらい若者の支援を展開させるまで」を開催(アーカイブ動画あり)
2024年12月11日、京都文教大学において、認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長・今井紀明氏による講演会「生きづらかった私が、生きづらい若者の支援を展開させるまで」が開催されました。
本講演は、本学が参画する「大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム」の一環として実施され、約90名の教職員・学生が参加しました。
▼アーカイブ動画はこちら
https://youtu.be/OIii-GqrIXk?feature=shared
・講演者プロフィール
認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長 今井 紀明氏
1985年札幌生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)卒。神戸在住、ステップファザー。高校生のとき、イラクの子どもたちのために医療支援NGOを設立。その活動のために、当時、紛争地域だったイラクへ渡航。その際、現地の武装勢力に人質として拘束され、帰国後「自己責任」の言葉のもと日本社会から大きなバッシングを受ける。結果、対人恐怖症になるも、大学進学後友人らに支えられ復帰。偶然、中退・不登校を経験した10代と出会う。親や先生から否定された経験を持つ彼らと自身のバッシングされた経験が重なり、2012年にNPO法人D×Pを設立。
経済困窮、家庭事情などで孤立しやすい10代が頼れる先をつくるべく、登録者7700名を超えるLINE相談「ユキサキチャット」で全国から相談に応じる。また定時制高校での授業や居場所事業を行なう。10代の声を聴いて伝えることを使命に、SNSなどで発信を続けている。
・講演概要
本講演では、今井氏の取り組みがどのように生まれ、拡大し、社会的な評価を得てきたかが紹介されました。特に、SNSを活用したオンライン相談、1人ひとりの事情に応じたオーダーメイドの支援、そして行政や他団体との連携によって「頼れる先」を社会に増やしていく取り組みについて詳細をお話いただきました。また、今井氏自身が「好奇心」を原動力として動き続けてきた経緯が語られ、若者の課題解決において「信頼関係づくり」や「若者が過ごす現場への積極的なアプローチ」の重要性が参加者に深い印象を与えました。
参加者からは、「NPO法人の具体的活動内容や寄付の役割が理解できた」「支援対象者に直接寄り添う発想に感銘を受けた」「自分もボランティアや寄付に参加したい」といった声が多く寄せられました。今回の講演は、本学が取り組む「大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム」において、学生たちが社会課題への具体的アクションを考える貴重な機会となりました。
・参加者からの主なコメント(抜粋)
約90名の教職員・学生が参加し様々な感想が寄せられました。下記はその一部を抜粋しまとめたものです。
- NPOおよび寄付への理解の深化:
「NPOが具体的に何をしているか初めてわかった」
「月額1000円からの寄付でも大きな助けになると知り、支援へのハードルが下がった」 - 多面的な支援手法への共感:
「個々人に合わせた食糧支援やチャット相談など、きめ細やかな対応に感銘した」
「世帯単位ではなく若者個人へ直接支援する配慮が新鮮だった」 - 支援対象への視線変化:
「グリ下(大阪ミナミ)に集まる若者へも否定せず寄り添う姿に、当事者視点の重要性を再認識した」
「アウトリーチやワンストップサービスの必要性を実感した」 - 行動力・探求心の重要性:
「好奇心を原動力に社会課題に挑む姿勢が刺激的だった」
「学生のうちに興味関心を行動につなげたいと感じた」 - 社会課題への取り組み意欲向上:
「支援を受けた若者が後に寄付者となる好循環に感動した」
「自らもボランティア参加を検討するなど、行動意欲が高まった」
今後の展望
「大学連携型ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム」は、社会課題解決に挑む実践的人材を育成する取り組みであり、今回の今井氏の講演はその学びの要となりました。本学では、今回のような先進的なNPO活動との連携・対話を通じ、学生が学内外の多様なリソースを活用しながら社会問題に立ち向かう機会を拡大してまいります。今後も、さまざまな分野でソーシャル・イノベーションを生み出す人材を支援・輩出していくべく、講演会やワークショップ、フィールド実習などを積極的に実施していく予定です。
「大学連携型ソーシャルイノベーション人材養成プログラム」のご紹介
龍谷大学大学院政策学研究科、琉球大学大学院地域共創研究科、そして京都文教大学大学院の3大学院が連携し、次世代のソーシャルイノベーション人材を育成するためのプログラムです。このプログラムでは、社会課題を多面的な視点から分析する力や、異なる領域の知見を統合し新たな価値を創出する力を養います。持続可能な社会の発展に貢献できる人材を育成することを目指し、臨床心理学の知見を活かしながら、社会課題解決に向けたイノベーションのプロセスやデザインを描けるイノベーション人材、そしてそのイノベーション人材を支援する心理専門家を育てていきます。
公式ホームページ:https://www.kbu.ac.jp/kbu/siprg/index.html