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【実施報告】2024年10月30日開催 「文楽と日本人の心」

 本学客員教授を務めていただいている、桐竹勘十郎師匠(文楽人形遣い、重要無形文化財保持者)を今年度もお招きし、「文楽と日本人の心」を開催することができました。

 師匠からは、本学園が120周年を迎えたことに対し「長い歴史というものは、色んなものを積み上げて、また新しい時代に入っていく」というお言葉を頂戴いたしました。300年以上続く人形浄瑠璃文楽を背負われる桐竹勘十郎師匠のお言葉には深みを感じました。

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 公演では、「絵本太功記」に登場する光秀の人形を用いながら、文楽の歴史や仕掛けの工夫、修行についてのお話しいただきました。実は、この「絵本太功記」こそ、当時中学生だった師匠がはじめて舞台に上がり、人形遣いになると決心された演目だったそうです。そのように師匠との深い関わりのある光秀を用いた振りの紹介では、「ツケ」といわれる拍子木を板に打ち付ける効果音も併せてご披露いただきました。力強い振りに音が加わることで、より迫力のある光秀の動きを感じることができました。

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 演目の実演では、お園人形を用いた「艶容女舞衣」をご披露いただきました。光秀の豪快な振りとは対照的に、女性が待つ繊細さと情を演じていただき、会場中が魅せられていました。

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 対談では、「真似はするな盗め」という修行の際にかけられた言葉を用いられ、技や自分が良いと思ったことを、ただ模倣するのではなく、自分が使える形で取り入れていくことが大切だと語られました。引き継ぐことと、新しく作っていくことの繰り返しが重なり、歴史となっていくのだと感じました(学生スタッフ:花本和真)。

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