アーカイブ

【実施報告】2024年6月5日開催「セラピストのコミュニケーション能力を養うためのワークショップVol.10」

本学客員教授で劇作家の平田オリザ先生を今年もお招きし、「セラピストのコミュニケーション能力を養うためのワークショップ Vol.10」を同唱館で実施しました。

本学臨床心理学研究科の大学院博士前期の1年次生が実際にワークショップを体験し、来場者がその様子を見学する恒例のプログラムです。 
DSC_1007.JPG

アイスブレイキングから始まり、体を使ったワークや他者の言葉の受け止め方の違いを体感するワーク、また教育現場などでこうしたワークを導入することの意義や注意点などの解説、そして寸劇を体験するなかで相互の対話のなかに存在する様々な文化差や文脈の違いについて考えることなど、約3時間のなかで多彩なワークとお話を織り交ぜていただき、最後は平尾和之センター長との対談で締めくくりました。

ワークショップを体験した大学院1年次生からは「コンテクスト(文脈)を認識することを意識して、相手とのズレを自覚しつつ対話をマネージしていくこと、とても有意義で贅沢な学びの時間をいただき感謝しています」「演劇と心理の共通する側面や、演劇を通した対人にまつわる様々な学びをたくさん聞かせていただけて良かったです」「学部時代に教職課程も履修していたため、子どもたちにどう働きかけることが適切かというオリザ先生の話をよりイメージを膨らませながら聞くことができました。これは教育現場のみならず、子どもを対象とした様々な施設においても活用ができると思うので、今回の経験を活かしていきたいです」といった感想がありました。

そして客席には大学院2年次生も多く参加しており、昨年度に自身も受けたワークショップを振り返る機会ともなったようで「カウンセリングの中ではクライエントの話の背景や本当のテーマについて考えなければならない。そうした話をうまく聞けるセラピストを目指したいと改めて思った」といった感想がありました。

心理臨床に携わるカウンセラーを育てる大学院は多く存在しますが、平田オリザ先生から直々に演劇的手法を用いたワークショップを通して学べる機会を提供しているというのは本学ならではの貴重なリソースであるかと思われます。当日の内容は臨床物語学研究センターのホームページで紹介しているYouTubeチャンネルで視聴可能です。ぜひご覧ください。(事務局:立石尚史)
DSC_0062.JPGDSC_0161.JPG