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【実施報告】2022/10/25開催「文楽と日本人の心」

 本学客員教授であり、人形遣いとして人間国宝であられる桐竹勘十郎師匠を今年もお招きし、臨床物語学研究センター主催公演会「文楽と日本人の心」を10月25日に同唱館で実施いたしました。

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 桐竹師匠からは、まず人形浄瑠璃の歴史や人形の所作について解説があり、3人がかりで一体の人形を操る文楽の遣い方は当時から変わらず、人間の感情を表現するためのさまざまな工夫について、実際に遣い方を示してご説明いただきました。_DSC0592.jpg

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 そして今年度は2つの演目から一場面を抜粋して実演を行っていただきました。ひとつは『近頃河原達引』より「堀川猿廻しの段」でのコミカルな2体の猿の動きを演じられ、もうひとつは『伊達娘恋緋鹿子』より「火の見櫓の段」として、悲恋の末に決死の覚悟で櫓を登る娘の姿を演じられ、その情感豊かな表現に約120名の来場者は魅了されました。_DSC0658.jpg

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 平尾センター長との対談では、古い浄瑠璃の文献をたどることで、当時の日本人の心性や生き方などに思いを馳せるなど、常に学びながら人形を遣い続けてきたことや、「人形の所作において、AIには絶対に負けたくないです」という思いを語っていただきました。(事務局:立石尚史)

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