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【実施報告】2021/10/13開催「物語と音楽-オペラが魅せる世界-」

2021/10/13 「音楽と物語~オペラが魅せる世界~」

出演者:黒田恵美(Sop)・小林久美子(Mez)・島影聖人(Ten)・左成洋子(Pf)

 2019年から始まるコロナ禍では、人と人との距離が生まれ、生の物語の共有が難しくなっている状況が余儀なくされました。この時期だからこそ、音楽と物語を共に生きる体験を通して、物語に触れていこうという願いを込め「音楽と物語~オペラが魅せる世界~」を臨床物語学研究センターの主催で開催しました。
 感染症対策の観点から同唱館への入館は学生と教職員に限り、観劇とYOUTUBEの配信を同時に行うハイフレックス型とし、会場では230名、YOUTUBEでの鑑賞はオンデマンドも含めて660名 と多くの方にご参加いただきました。

 最初にオペラの名曲として Puccini作曲 オペラ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」を島影聖人が披露。テノールの歌声の圧倒的な迫力に、会場の雰囲気が一瞬で変わり、オペラの世界に誘われました。

 メイン演目は、Humperdinck作曲「ヘンゼルとグレーテル」。ヘンゼル(小林)、グレーテル(黒田)、魔女(島影)そして、ピアノ(左成)で編成。「ヘンデルとグレーテル」が始まると、ヘンゼルとグレーテルが繰り広げる楽しい音楽の世界が始まります。お菓子の家を見つけたり、魔女に出会ったりと、舞台の中で物語が繰り広げられました。

 最後はヘンゼルとグレーテルが魔女を倒し、「苦しい時は神様が助けてくださる」というメッセージと共に、大きな拍手とともに幕を閉じられました。

 物語が閉じた後、出演者とフロアとアフタートークを行いました。出演者の方からは、「コロナ禍はオペラ歌手にとって表現することが難しい状況ではあったが、表現するための土台である身体と向き合い、表現を深めていくことに丁寧に取り組める時間でもあった」ことが共有されました。また、フロアからは「表現と温度の違い」について、また「一般の演劇とオペラが違う点が演者にどのような影響を与えるのか」などの質問があり、温度感をどのように感じるのか、どのように変えていくのかというオペラ歌手としての、工夫や技術について、また表現と「間」について会場との交流を重ねました。(報告者:堀内詩子)