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2021/5/13 『セラピストのコミュニケーション能力を養うためのワークショップⅦ』 講師:平田オリザ先生

平田オリザ先生WSⅦ1.JPG 本学客員教授である劇作家・演出家の平田オリザ先生による『セラピストのコミュニケーション能力を養うためのワークショップⅦ』を、臨床物語センターの主催で開催しました。昨年度は、コロナ状況を踏まえてのオンラインレクチャー方式での開催でしたが、今年度は感染症対策を徹底した上で、本学同唱館ステージにてワークショップ形式での実施をおこないました。当日の様子はハイフレックス型としてYouTubeにて配信をおこない、合わせて100名程の方々にご参加いただきました。

 演劇的手法を用いたワークショップには、本学臨床心理学研究科の院生18名がステージに上がり、平田先生の指示の下にワークや演劇をおこない、平田先生のお話を体験的に理解していきました。

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 平田先生は、他者の発言の「文脈<Context>」を理解することが、コミュニケーション能力において重要だと述べられます。セラピストを含む援助職が接する被援助者は、素直に自身の思いや気持ちを伝えられる訳ではない為、その発言の背景をくみ取るContext理解の力が援助職には必要となる。しかし、その力は当たり前に持っている力であるというお言葉には、人と人のコミュニケーションの根底に気づかされました。AI等の科学技術の発展に伴い説明できる事象は増えたが、まだまだ科学は人の気持ちを汲み取ることは出来ないというお話に、セラピストが大切にしたいコミュニケーション能力を学びました。

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 また、平田先生は過去の歴史やコロナ禍の問題についても言及され、日本人が持つ「対話」の苦手さを指摘されました。グローバル社会となった現代において、「文脈」と「対話」を考えることは、セラピストのみならず全ての人々に共通する課題であると感じました。(学生スタッフ:花本和真)