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【実施報告】2019/5/8 『セラピストのコミュニケーション能力を養うためのワークショップⅥ』

 本学の客員教授を務めておられる劇作家・演出家の平田オリザ先生による「セラピストのコミュニケーション能力を養うためのワークショップⅥ」が今年も臨床物語学研究センターの主催で5月8日に本学同唱館で実施されました。本学臨床心理学研究科の大学院生21名を対象としたワークショップの様子を、聴講者約50名が見学しました。

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 相手に喋ってもらう環境(仕組み)作りが大切だという説明後、ワークでは相手との共通点を見つけ出すことから始まりました。その後「イメージの共有」をポイントとして動きを伴うわーく、言葉を使ったワークを体験すると自分と他者とのイメージの相違を実感する場面が多々あったようです。最後は寸劇を用いて他者とイメージを共有する感覚を体験しました。平田先生は、同じ言語でも一人ひとり異なるイメージを持っていると意識すること、イメージの相違をできるだけなくすよう摺り合わせ、相手が本当に伝えたいことは何かを読み取るよう意識することが、他者との関わりの中で重要だと解説されました。DSC_1178.JPGDSC_1285.JPG

 自らの習慣や思い込み、あるいは文化的背景により、つい他者との「差異」への想像力を欠いたコミュニケーションを行ってしまうことは、心理臨床家を目指す学生だけでなく一般の我々にとっても意識して注意するべき点であり、そうしたことを演劇的手法を通して体感的に気づかされます。

 参加者からは考えたことのなかった視点や言われて改めて気付いたことが多かったと感想が寄せられ、非常に濃密な3時間となりました。