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【実施報告】2018/11/28 『文楽、過去・現在・未来』

 文楽人形遣いとしてご活躍中で、本学の客員教授も務めておられる桐竹勘十郎先生をお迎えし、臨床物語学研究センター主催で「文楽、過去・現在・未来」と題したご講演と文楽の実演をしていただきました。大阪から発祥した竹本義太夫による人形浄瑠璃の歴史や、ご自身で復元されたという古い様式の人形を例に文楽の発展をご解説いただき、3人で遣う人形の仕組みや、演じる際にお互いが息を合わせるための微細な動作、そして本物の人間らしく見せるための様々な工夫など、普段の舞台上ではなかなか見られない部分を惜しみなくご披露いただきました。また動物や人間の頭髪を利用して人形の頭の造形が作られているとのことで

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、桐竹先生は「昔からこうして受け継がれてきた文楽人形は、これ以上手を加える必要のない完成度の高さであり、この人形たちを遣うことで私は精一杯です」と述べられました。

 ミニ公演では、『艶容女舞衣』の一部を上演していただき、「お園」の人形が見せる情念のこもった動きに、教室を埋めた約250名

の来場者も魅了されました。

 最後に秋田巌所長との対談のなかでは、桐竹先生がアメリカに招かれた際に幼稚園で文楽を披露する機会があり、そこである子どもに実際に人形を遣わせてみたところ、それ以来問題行動が収まったという知らせを受けたエピソードや、「足遣い」・「左遣い」とそれぞれの長い修行時間が「将来への貯金」となって「主(おも)遣い」になったときに活きてくるお話など、深く楽しみながら人形とともに歩む日々について語っていただきました。

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