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【実施報告】2016/12/21『文楽と日本人の心』

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文楽人形遣い、そして本学の客員教授である桐竹勘十郎氏をお迎えし、ご実演とご講演をいただきました。

平安時代から存在していたという傀儡師(かいらいし)にはじまる人形遣いや浄瑠璃、義太夫に関する史的な解説や、人形の仕組み、また1734年に始まったとされ現在も引き継がれている「三人遣い」の方法について、実演をしていただきました。
 主(おも)遣いの動きに呼応して足遣い、左手を担当する左遣いが人形に命を吹き込み、「客から見えない部分の足の形も大切」と、細部に至るまで気を配り、また独特の動きで主遣いからの合図を出すことなど、普段はうかがい知ることのできない人形遣いの所作を披露していただきました。 

 また『艶容女舞衣』の一部を上演していただき、女形の「お園」の情のこもった動きに来場者は魅了されました。
 秋田巌所長との対談のなかで、「吉田蓑助師匠が山の頂上だとすると、いまは何合目にいると思われますか」の問いに桐竹氏は「自分が頂上に近づいたと思ったら、師匠もさらに登っていった。それで頂上に至るのは無理だと思ったので、山登りには例えられない」と、長い修行と研鑽の日々のなかで培われていった想いの一端をを披露していただきました。

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