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【実施報告】 2015/12/17 シリーズ【トップアスリートの心と体】第3回~清水宏保という『物語』~

2015年12月17日(木)、シリーズ【トップアスリートの心と体】第3回を実施しました。

ゲストには元スピードスケート選手の清水宏保さんをお招きしました。

 1998年の長野冬季オリンピックで、日本のスピードスケート界では初となる金メダルを獲得した清水さんですが、ご自身は幼少期から「スポーツをしてはいけない」と医者に言われるほどの喘息に苦しんでこられたことも知られています。

しかし清水さんは、「喘息のおかげで、子どもの時から自分の体に向き合い、身体感覚にも繊細になれた」と捉え、「喘息や体格の小ささといったハンデやコンプレックスを持っているからこそ、アスリートとして結果を出すことにこだわってきた」と述べ、そうして競技力向上に少しでもつながるヒントやチャンスを得るために日々の生活の中でアンテナを張り、さまざまなことに好奇心を持ち続けて工夫をしてきたことをいくつかのエピソードを交えてお話しいただきました。

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 また現在携わっている介護リハビリのお仕事について、「日本においてトップアスリートを育成するためにお金が使われることの意義を深めるために、またアスリートのセカンドキャリアの問題としても、いかに競技者としての経験を社会に還元できるかを考えている」という問題意識についても触れ、「運動とはすべての人にとって生涯できることであると思うし、身体との向き合い方を多くの人に知ってほしい」と、金メダリストとしての華やかな経歴から、さらに新しい道へと挑戦していく展望を語っていただきました。

 聴講した学生からも質問がいくつか寄せられ、「過酷な練習を続けてこられたのは『自分は精神的に弱いから』とおっしゃる清水さんにとって、『強さ』とは何でしょう?」との問いに、「なびかないこと、流されないこと」を挙げ、なかなか結果がでない時期でも自分のやり方や信念を曲げずに探究を続けてきたことが今につながっているとお答えいただくなど、私たちにとって日々の過ごし方をあらためて自問させられる密度の濃いお話をしていただきました。

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