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【実施報告】2011/7/14 『死者への配慮』

講師:吉岡洋(京都大学大学院文学研究科教授)
司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)

日時:2011年7月14日(木)13:00-14:30
会場:京都文教大学 弘誓館 G101教室

 美学・芸術学、情報メディア論など表現文化について様々な発言を行っている吉岡洋先生(京都大学大学院文学研究科教授)をお招きし、思想・哲学や歴史を踏まえつつ、東日本大震災に直面した現代の私たちにおける「死者」との向き合い方のひとつのありかたを論じていただきました。吉岡先生は死者という概念を「存在していながら永遠に沈黙している人」と捉えてみることで、生と死を対立するものと分けるのではなく、沈黙する死者を身近に感じようとすることが今まさに求められているのではないかと述べられました。秋田巌所長との対談では、震災にともなう原発問題について「これまでも放射能の怖さを実感する出来事はいくつもあった。でも人間は忘れやすいので、この後どこまでこの気持ちを多くの日本人が保持していけるのか」といった話が展開されました。