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【実施報告】2011/6/15 『能のなかの<わたし>』

講師:小川佳世子(歌人・京都造形芸術大学非常勤講師)
司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)

日時:2011年6月15日(水)13:00-14:30
会場:京都文教大学 弘誓館 G102教室

 歌人であり能楽研究家である小川先生をお招きし、今回は〈わたし〉という一人称が能楽や和歌においてどのように捉えられてきたかという論考をお話しいただきました。西洋的な「自我の確立」による自己主張的なものではなく、「がんばったからといって何かが起こるわけでもない」というような能楽のストーリー展開は、観客にとってはかえって気が休まったりする部分もあるのではないかという点や、また能を現代劇、娯楽として見ていた当時の庶民は、そこで語られる言葉をある程度理解して楽しんでいたと思われ、それは和歌についての伝統があったからではないかという解説をしていただきました。