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【実施報告】2011/4/20 『心理臨床の日米比較』

講師:遊佐安一郎(長谷川メンタルヘルス研究所所長)
司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)

日時:2011年4月20日(水)13:00-14:30
会場:京都文教大学 弘誓館 G102教室

 長きにわたりアメリカで臨床活動をされてきた遊佐先生は「感情調節」という臨床概念について近年のアメリカで注目されつつある状況を紹介され、とくに境界性パーソナリティ障害の治療における感情調節機能の重要性について説明をいただきました。そして遊佐先生が取り組まれている「弁証法的行動療法」について解説をしていただき、「承認的環境」を重視して、受容と共感だけでなく、受容と変化のバランスを大切にし、そのうえで感情調節の「スキル」を訓練して身につけていくプロセスが示されました。
 また英国においては税収向上との費用対効果の面から、一定の臨床効果が実証された認知行動療法を実践できるセラピストの育成が国家政策として行われていることも紹介され、医療経済の視点から心理臨床のありかたを捉えることの重要性についても述べられました。

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