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【実施報告】2010/12/2『<私>について』

テーマ:「〈私〉について --和歌・能における〈私〉と西洋的(近代的)自我」

講師:小川佳世子(京都造形芸術大学非常勤講師)
司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)

日時:2010年12月2日(木)13:00-14:30
会場:京都文教大学 弘誓館 G101教室

 歌人であり能の研究者である小川佳世子先生をお迎えしてご講演をいただきました。能は「和歌を演劇にしたようなもの」であり、かつ「私語り」によって作られるものと捉えると、語り手の「わたし」をどのように位置づけるかが歴史的にも重要であると述べられ、万葉集からはじまる和歌の歴史、そして能との関係性を解説していただきました。特に能を解釈するにあたっては、能が作られた時代における人々の「私」のありようについて慎重な検討が必要であるという学問的主張があるものの、それでもなお、現代の「私」や「自我」の感覚から自由に能を楽しむことも大切ではないかと述べられました。