アーカイブ

【実施報告】2010/10/20『古典芸能と日本的精神性』

テーマ:「鼓童」

出演:山口幹文(講演)、新井武志、今海一樹、辻 勝、宮﨑正美、阿部研三、高橋勅雄、島内博子

司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)
対談:清源友香奈(京都文教大学大学院臨床心理学研究科博士課程)

日時:2010年10月20日(水)13:00-14:30
会場:京都文教大学 同唱館

 世界的に活躍している和太鼓グループ「鼓童」を同唱館にお迎えし、和太鼓の演奏実演と、メンバーの山口幹文さんによる講演をしていただきました。鼓童が拠点とする佐渡島についての歴史・文化的背景や、使用する太鼓にまつわる解説を織り交ぜながら、合計6曲にわたる迫力ある和太鼓の演奏を披露していただき、約300人の来場者は空気を揺らす太鼓の音のパワーに圧倒されました。山口さんは「鼓童は和太鼓という日本の古典芸能を博物館のように残して継承しようという考えではなく、伝統に学ぶなかからいかに新しいものへと再創造していくかということを考えている」と述べられました。鼎談において秋田所長は「聴いている人を包み込むような音が印象的で、和の文化は包み込む文化であることに通じている」と述べ、また今回の企画のコーディネーター役である本学大学院博士後期課程の清源友香奈さんは和太鼓についての研究をしている立場から「鼓童の演奏の魅力は純粋で邪心がないなかで、研ぎ澄まされた個性が感じられるところである」とコメントをされました。それを受けて山口さんからは「古典の世界では『個』をなくすところから始めないといけない。そうしないと芸が入る余地がない」と述べ、「いずれにせよ我々の主張よりも、太鼓の存在そのものがすべてを饒舌に語ってくれていると思う」と締めくくられました。学外からも多数の来場者があり、「迫力満点の演奏が見事でした」「全身を使って太鼓の音を聞く、という山口さんの話が新鮮でした」といった感想を寄せていただきました。

1020_p1.jpg

1020_p2.jpg

1020_p3.jpg

1020_p4.jpg