アーカイブ

【実施報告】2010/6/30『臨床動作法と日本的心理療法との関連』

講師:鶴光代(跡見学園女子大学文学部臨床心理学科教授)
コメンテーター:永澤哲(京都文教大学人間学部現代社会学科准教授)
司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)

日時:2010年6月30日(水)13:00-14:30
会場:京都文教大学 弘誓館 G102教室

 日本由来の心理療法の本質を探る公開講座シリーズ「日本的心理療法研究」の第2回目として跡見学園女子大学文学部臨床心理学科教授の鶴光代先生に「生活臨床の日本的特性―西洋の精神療法と比べて」と題してご講演をいただきました。臨床動作法とは1960年代に成瀬悟策氏が中心となり、脳性マヒ児童への動作訓練法をもとにして発展していった治療方法で、心と体のつながりを相互に調整しながら、動作を通して心身のバランスを取っていくアプローチをとります。鶴先生からは、子どもたちに動作法を取り入れて、以前できなかった動きができるようになっていく様子をおさめたビデオ資料をご紹介いただいたり、また実際に肩の上げ下げを例にした動作法の実践を会場の聴講者全員にご指導していただくなど、体感的に学ぶことができました。コメンテーターの永澤先生からは整体法との関連について論じていただき、また秋田先生からは動作法にともなう発声のありかたに着目した場合、日本語における擬音語・擬態語の豊富さが臨床動作法を構成する重要な一要素なのではないかといった興味深い指摘をしていただきました。