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【実施報告】2010/6/1『生活臨床の日本的特性--西洋の精神療法と比べて』

講師:井上新平(高知大学医学部神経精神科学教室教授)
司会・対談:秋田巌(京都文教大学人間学研究所所長)

日時:2010年6月1日(火)14:40-16:10
会場:京都文教大学 弘誓館 G104教室

 今後二年間かけて日本的心理療法の本質を探っていこうとする公開講座シリーズ「日本的心理療法研究」がはじまり、第1回目として高知大学医学部神経精神科学教室井上新平教授に「生活臨床の日本的特性--西洋の精神療法と比べて」と題してご講演をいただきました。患者(クライエント)の症状だけに着目していくのではなく、その人の生きている日常生活全体を捉えていき、そのなかから見いだされる多様な手掛かりを大切にしながら進めていく支援のあり方として1960年代から実践されてきた「生活臨床」について豊富な事例をまじえて解説していただきました。聴講した学生の多くも西洋由来の心理療法とは異なる点に刺激を受けたようで、「患者との突っ込んだやりとりに驚いたが、このようなアプローチがあることは今まで知らなかったので参考になる」といった感想が聞かれました。