大学の紹介

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教育方針

京都文教大学の三つの方針
(2017年4月1日改定・2018年度入学生より適用)

I.卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

教育目標は「ともいき人材」の育成

京都文教大学(以下、「本学」という)は、仏教の教えである「四弘誓願」を建学の理念としていますが、これをわかりやすく表現すると「ともいき(共生)」です。したがって、本学の教育目標は、本学の各学位プログラムの課程を修めた上で、人間関係・社会組織・地域社会など、社会のさまざまな場面で「ともいき」を創造できる「ともいき人材」の育成にあります。
「ともいき」とは、仏教の根本思想である「縁起」に由来します。縁起とは、「すべては何かに縁(よ)って(=何かを縁として)生起する」という意味で、すべてを「関係性」の中でとらえる思想です。

この世の存在物は、すべて他者の助けを借りて存在しています。生きとし生けるものは環境から切り離されては生きていけませんし、また<ヒト(生物的存在)>は<人(社会的存在)>として存在するために、他の<ヒト>をはじめとする他者との関わりが絶対的に必要となります。

この縁起によって成立する世界において、「自己の幸福」は「他者の幸福」と表裏の関係にあるので、本学における「ともいき」とは、「自己と他者とがともに幸せを感じられる状態」と定義されます。

本学では、そのような「ともいき」を創造できる力を「社会的価値創造力」と定め、その実現のために、下記の能力・資質を修得・涵養し、それらを総合的に活用することによって、「ともいき」を創造できる「ともいき人材」を育成することを教育目標としています。

「ともいき」を創造する「社会的価値創造力」実現のために必要な能力・資質

①自己対峙力:自分自身と向き合う力

自分自身を見つめ、独自の発想力を持つとともに、現在の自分に満足することなく常に自己を相対化し、柔軟に自己革新を続けられる力が自己対峙力です。

具体的には、自らの言動や内面を深く省察し、知的好奇心を持って柔軟に自己を向上させ、自らを律し、主体的に努力を持続することができます。

②汎用的知力:どんな場面でも役に立つ知力

先ずは土台となるのが、大学で学ぶ学問の知識です。つまり、基礎知(教養知と専門知)と、それを駆使して問題を解決する応用知(問題解決力)の二つが必要です。

具体的には、各学位プログラムの基礎となる教養および専門的知識・技能を修得し、かつそれらを応用するために調査・発問・分析・企画を行う力を統合し、「ともいき」をめぐる諸問題を解決することができます。

③現場実践力:現場で必要とされる力

図.「ともいき人材」に必要な各能力・資質の関係

社会的価値を創造するには、人間関係・社会組織・地域社会など、社会のさまざまな現実と向きあうことになります。そこで必要とされる力が現場実践力です。

具体的には、常に他者の立場に立って物事を考える共感的態度をもち、かつ柔軟な対話を通じて意見交換・調整を行い、社会的責任や役割を自覚して他者と協働しながら行動することによって、「ともいき」の創造に貢献することができます。

このように、自己対峙力を基盤とし、汎用的知力と現場実践力との相互作用(往復運動)を通じて、社会の様々な場面で「ともいき」という価値を創造する「ともいき人材」としての素養(=KBU学士力)を身につけた者に、学位を授与します。

Ⅱ.教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学では、学位授与の方針に掲げる能力・資質を修得・涵養するために、全学共通科目、専門科目、その他の科目を体系的に編成し、講義、演習、実習、実験を適切に組み合わせた授業を開講します。
教育課程の体系性を示すために、科目間の関連性や科目内容の難易度等を表すナンバリングを行い、教育課程の構造を段階的に明示します。

1)教育の内容

  • (1) 全学共通科目は、「KBUアイデンティティ科目」「教養コア科目」「リテラシー科目」および「現場実践教育科目」によって編成し、大学教育への適応と学修スキルの修得をはかるとともに、「ともいき人材」の基礎となる教養教育を行います。
  • (2) 全学共通科目、専門科目ともに演習教育を重視し、各学年・学期に配置する演習科目を必修とし、その担当教員が学修・生活の助言を行うアドバイザーとなります。
  • (3) 全学共通科目、専門科目ともに現場実践教育を重視し、「ボランティア」「インターンシップ」およびプロジェクト・ベースド・ラーニングを取り入れた科目群を配置し、現場実践力の基礎となる教育を行います。
  • (4) 専門科目は、各学位プログラムの専門性と体系性に基づき、各学年の教育段階に適応した適切な科目配置を行います。
  • (5) これらの教育内容の深化と統合および総合化のために、卒業論文を必修とします。

2)教育の方法

  • (1) 全学共通科目においては、初年次導入教育を重視し、大学教育の基礎となる学修スキルの確実な修得に向けたフィードバックに努めます。
  • (2) 専門科目においては、各学位プログラムの専門性と体系性を重視し、各学年の教育段階に適応した適切な教育方法を取り入れます。
  • (3) 「ともいき」をめぐる諸問題を自らのものとしてとらえ、考え、行動するためのアクティブ・ラーニングを積極的に取り入れ、社会的価値創造力のさらなる実質化を図ります。

3)教育の評価

  • (1) 全学(機関)レベルの評価は、①KBU学修ベンチマークの達成状況の集計、②学修行動調査等の集計、③卒業論文等の成果把握、その他の適切な方法によって行います。
  • (2) 学部・学科(学位プログラム)レベルの評価は、①KBU学修ベンチマークのプログラム別の達成状況の集計、②到達度確認テスト等による専門知識・技能等の獲得状況の集計、③卒業論文等の成果把握、その他の適切な方法によって行います。
  • (3) 学生(パーソナル)レベルの評価は、①各科目のシラバスに定める到達目標の達成、②KBU学修ベンチマークの達成、③卒業論文等の成果、その他の適切な方法によって行います。

なお、学修成果については、ラーニング・ポートフォリオやルーブリックを積極的に取り入れ、リフレクションを誘発する創造的・客観的な評価方法の確立に努めます。

Ⅲ.入学者選抜の方針(アドミッション・ポリシー)

本学は、教育目標に掲げる「ともいき人材」を育成するために、本学での学修に対する意欲や目的、基本となる知識や技能、「ともいき」をめぐる諸問題を自らのものとしてとらえ、考え、行動するための素養として、下記の能力・資質を求めています。
このような入学者を適正に選抜するために、多様な選抜方法を実施します。

  • (1) 「ともいき人材」の育成という本学の教育目標を理解し、社会や人間の諸課題に対して関心を持ち、その解決に向けて貢献したいという意欲をもっている。
  • (2) 高等学校までの教育内容を幅広く修め、調査・発問・分析・企画を実践するための基礎的技能を身につけている。
  • (3) 他者の視点に関心をもち、聞く、話す、読む、書くという他者との交流を実行するためのコミュニケーション能力を身につけている。
  • (4) 新たな自分の可能性に関心があり、自分自身の感覚・感情・思考に注意を向ける自己内省力を持っている。
  • (5) 入学者選抜においては、教科・科目の学力評価に加えて、上記の能力・資質を確認するための評価課題を設定する。その具体的な内容は各学位プログラムのアドミッションポリシーにおいて策定する。

総合社会学科の三つの方針
(2019年4月1日改定・2020年度入学生より適用)

Ⅰ.卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

総合社会学科(以下、「本学科」という)では、社会科学を中心とする幅広い教育研究を通して、複雑で多様化する現代社会の諸問題を総合的に理解する力、またその解決に向けて探究・実践する力を身につけ、積極的に社会に働きかけて「ともいき社会」の実現に貢献できる人材(=「ともいき社会人」)を育成することを教育目標としています。本学科では、上記の教育目標を達成するために必要とされる所定の単位を修得し、下記の力を身につけた人に対して学位を授与します。

  • 1. 常に自己を省察し向上しようとする意欲と、複雑で多様化する現代社会の様々な問題や人間行動への強い関心をもち、その解明や解決に向けて主体的かつ継続的に努力することができる。(自己対峙力+社会への関心)
  • 2. 社会科学を中心とする幅広い知識と技能をもち、現代社会の諸問題を総合的視点から理解することができる。(汎用的知力/教養知)
  • 3. 本学科に設置するコースの学びのうち、いずれかの分野に関する専門的知識と技能をもち、それを現代社会の諸問題の発見や解決に役立てることができる。(汎用的知力/専門知)
  • 4. 地域や組織の一員として、世代や文化の異なる他者に対しても共感的態度と対話力をもち、協働することができる。(現場実践力)
Ⅱ.教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学科では、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた目標を達成するために、以下のような教育課程、教育方法、教育評価の方針に基づいて教育を行います。

(1)教育課程の編成

  • 1. 複雑で多様化する現代社会の諸問題に対応するため、本学科に、経済・経営、メディア・社会心理、公共政策、観光・地域デザイン、国際文化という5つのコースを設置する。
  • 2. 社会科学の基礎を幅広く学んだ後、所属するコースの履修モデルに沿って、専門性の高い科目を段階的に学べるよう、科目を配置する。
  • 3. 所属するコースの履修モデル以外の科目も履修できる自由度を設ける。それにより、複数分野を組み合わせた学び方も可能となり、自分が取り組もうとする研究対象に多彩な視点からアプローチできる。
  • 4. 問題発見や問題解決に向けた調査・分析力、またコミュニケーション力や情報発信・表現力などを養うため、少人数クラスによる演習・実習等の実践的な科目を設定する。
  • 5. 上記の教育課程を通して身につけた種々の力を実際の社会で活用できるよう、資格取得を含めた就業力育成のための科目および履修プログラムを設置する。

(2)教育方法

  • 1. ゼミ教育を重視し、1年次から4年次まで、すべてのセメスターでゼミ形式の授業を設定する。ゼミにおける教育指導の方針は以下①~③による。
  • ① 1年次はコースごとにゼミを編成し、コースの学びに沿った基礎的なテキストを使用して、汎用的なラーニングスキルやリサーチスキルを涵養する。
  • ② 2年次からは学生が自らの興味関心に応じて、多彩なテーマで開講されているゼミの中から選択できるようにする。その際、本学科の多様性や学際性を活かすため、ゼミ選択を所属コースにより制限することはないが、ミスマッチを防ぐため、あらかじめ各コースの学びと各ゼミの研究テーマとの関連度を示し、ゼミ選択における目安を提供する。
  • ③ ゼミ担当教員は、ゼミ学生の履修指導や就職支援など、担任として種々の面からサポートする。
  • 2. ゼミ以外にも、少人数クラスによる演習・実習等の実践的な授業を多数用意し、現場体験によって得られる学びを重視する。
  • 3. 講義形式の授業においても、学生との意見交換、グループワーク、コミュニケーションペーパー、等々、できる限り双方向型の方法を取り入れ、学生の主体的かつ能動的な学びを引き出す工夫を行う。

(3)教育評価

学生レベルの評価は、各科目のシラバスに定める到達目標の達成度、本学科で定める学修ベンチマークの達成度、および卒業論文の成果等によって行う。その際、学期ごとの履修状況や学修成果を担任教員がチェックする体制を整え、各時期に応じた適切な指導を行う。
学科レベルの評価は、学科の全学生についての単位修得状況や学修ベンチマークの達成状況などを、継時的・統計的に把握することによって行う。
なお、教育評価に際しては、客観的な評価方法を確立するために効果的なツール(ルーブリックなど)を積極的に取り入れる。また、学生自身による学修成果のふりかえりや担任教員による学修成果の把握に活用できるツール(ラーニング・ポートフォリオなど)を積極的に取り入れる。

Ⅲ.入学者選抜の方針(アドミッション・ポリシー)

総合社会学科では、絶えず変化する社会の諸問題を「発見」「分析」「考察」し、その解決策を「提言」「発信」する力を身に付けるとともに、専門知と応用力を社会の中で実践・活用することによって、「ともいき」の実現に貢献できる人材の育成を目的としています。
本学科での学修においては、「自己と他者がともに幸せを感じられる社会」(ともいき)の実現に向けて、多様な生き方や価値観を多面的に見つめる思考力・想像力と、答えの用意されていない問いに満ちた世界へ力強く進んでいく意欲・姿勢を持つとともに、以下のような学習経験が求められます。

1.高等学校卒業程度の教科学習の知識を正しく有していること。

  • (1) 本学科の学修では、多様な考え方や生き方を受け止める態度と、客観的に理解する能力を磨き上げていきます。「いま」「ここ」にある知識や常識だけで物事を理解するのではなく、自分とは異なる他者の考え方や価値観を受け止め、理解することが大切になります。
    そのため、高等学校までの学習において、自分の見識を広げるために、どの教科においても広く知識を獲得しようとした経験を重視します。大学入試に使われやすい教科・科目に限らず、教科学習全般に取り組む自己学習能力が望まれます。
  • (2) 本学科の学修では、地理・歴史や政治・経済などの多様な視点から社会的事象を解釈するため、高等学校での「地理歴史」「公民」などの学習を通じて、社会に関する正確な基礎知識を有していることが望まれます。また、経済統計や心理統計の手法による調査データの整理・分析・考察を行うため、高等学校での「数学Ⅰ」、「数学A」などの学習を通じた数学の基礎知識や、「情報」の学習で身に付けた基礎的な技能が、学修の大きな助けになります。
    これらの教科に自信がない場合であっても、苦手意識を克服しようとする意欲や、入学後も学修を継続しようとする姿勢を評価します。

2.「言語活動」での学習経験を活用できること。

本学科では、複雑で多様化する社会の諸問題の背景を整理し、自分なりの仮説を立て、それを検証するための調査を計画・実行し、その結果を分析・考察することによってそれらの本質を解きほぐし、解決策を提言、発信するプロセスを繰り返し学びます。
その学びの基礎となるのは、複眼的・総合的な視点や、物事を多角的に思考する能力、自らの考えを効果的に表現し、他者に説得的に伝える力です。
そのため、高等学校での「言語活動」に関する学習成果を重視します。「言語活動」は「国語」や「英語(外国語)」などの教科が大きな役割を持ちますが、物事を考察したり、情報の収集や選択をしたり、感受性や表現を磨いたりする機会は様々な教科・科目を通じて設けられています。これらの学習機会に積極的に取り組み、その経験や成果を説明できることが求められます。

3.「部活動」「委員会活動」および「総合的な学習の時間」等の探究型学習での経験を説明できること。

本学科の学修では、多様な生き方や価値観を持つ人々との学び合いを通じて、摩擦や葛藤を受け入れながら、新たな価値を創造していく主体性や協働性を重視します。例えば、国内外でのフィールドワークや、企業や自治体の課題解決にチームで取り組む実習などを通して、世代や背景の異なる他者との学び合いを体験します。
そのため、高校までの取り組みにおいて、多様な人たちと交流する機会を自ら持ち、ともに課題の解明・解決に向けて取り組んだ経験や、よりよい人間関係を見つけ出した体験を重視します。高等学校までの学習においては、「部活動」「委員会活動」や「総合的な学習の時間」等の探究型学習などを通じて、グループやチームの仲間と知恵や工夫を出し合いながら、課題の解明・解決に導いた経験やその成果物、あるいは、新たな課題を発見した経験を重視します。

2017年4月1日改定・2018年度入学生より適用

実践社会学科の三つの方針

Ⅰ.卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

実践社会学科(以下、「本学科」という)では、地域社会に顕在・潜在しているさまざまな課題にたいして、学生自らが自分事としてかかわり、そこに暮らすさまざまな背景をもった人たちやそこにかかわる行政・民間等の各種団体や組織の人たちと一緒になって悩みながら知恵を出しあい、課題解決のためのプランをつくって実行し、新しい暮らしの豊かさを想像・創造していくことができる人を育てることを教育目標とします。
本学科では、上記の教育目標を達成するために必要とされる所定の単位を修得し、下記の力を身につけた人に対して学位を授与します。

  • 1. チームとして働く力
    組織や集団において、自分の役目をみきわめ、チームとして行動することができる。
  • 2.課題を発見する力
    地域社会をつぶさに見つめ、そこに暮らす人の声に耳を傾けることによって、地域の課題を発見することができる。
  • 3. 論理的思考力・判断力
    客観的データや根拠にもとづいてものごとを予測、判断することによって、他者を説得したり、自分たちの行動戦略をたてたりすることができる。
  • 4.プロジェクト企画・実行力
    自分たちでプロジェクトを企画し、必要なリソース(人・モノ・カネ・情報など)を動員して、最後まで粘り強くやり抜くことができる。
  • 5.プロジェクト推進に必要な専門的知識
    プロジェクトの推進に必要となる専門知識を持ち、地域社会で顕在・潜在している課題にかかわる最新の情報を収集できる。
  • 6. プロジェクト推進に必要なスキル
    企画の構想や課題解決に必要な発想・創造・協働・発信・リソース開拓にかんする専門的知見にもとづいた技法を身につけ、実践することができる。
  • 7.自ら学びつづける力
    自分自身の現状を把握し、理想とする自らの将来の姿に近づいていけるような目標と効果的な学びのプランをつくって行動し、行動しながらつねに自らの歩みをふりかえって評価し、自ら学びつづける意欲と行動を持続させることのできる自分なりの工夫を心得ている。
Ⅱ.教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

実践社会学科(以下、「本学科」という)では、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた教育目標を達成するために、以下の教育課程・教育方法・学修成果の評価の方針にもとづいて教育を実践していきます。

(1)教育課程の編成

  • 1. 学生たちが2年次から本格的に取り組むことになるプロジェクトにおいてどのようなスキルが必要なのか、また、自分が得意としているスキルが何で、どのようなスキルに磨きをかけていきたいか、磨きをかけるために6種類あるうちのどの「ラボ演習」を履修するかを考える機会として「ラボ入門」を1年次春学期に、2年次春学期から始動するプロジェクトの内容や進め方を学習するとともに、ミニプロジェクトにチャレンジする「プロジェクト入門」を1年次秋学期に設置する。
  • 2. 自分の得意技を売り込んで入門したプロジェクトを学生たちが能動的に推進していけるように、プロジェクトテーマにかかわる専門性をそなえた教員2名(実務経験を有する教員を含む)がタッグを組んで学生たちのコーチとなって教育する「プロジェクト演習Ⅰ〜Ⅳ」を2年次春学期〜3年次秋学期に設置する。
  • 3. 学生たちが自分たちのプロジェクト活動をふりかえり、自分たちに必要な専門知識やスキルを学びつづけていけるようにするために、未来思考のリフレクションをおこなう「キャリアゼミⅠ〜Ⅳ」を、「プロジェクト演習Ⅰ〜Ⅳ」と同時並行で進行できるように2年次春学期〜3年次秋学期に設置する。
  • 4. 学生たちが「プロジェクト演習」と「キャリアゼミ」で学んだことを実践できるようになるために、基盤教育科目に「地域キャリア実習」「キャリアアップ実習」を設置し、プロジェクト学習での学びをより就業に近い場面(プロジェクトに関連の深い行政や民間企業等)で深めることができる機会を設ける。
  • 5. 4年間の学びの成果をまとめ、学生自らがチームになってプロジェクトの企画・運営に取り組む「ともいきプロジェクト演習」(卒時評価にかかわる科目)を設置する。それに加え、自分が身につけた力・得た知識や知恵を下級生に伝授しながら下級生への学習支援に取り組む「プロジェクトアシスタント演習」を設置する。
  • 6. 学生たちが自らの得意技を見つけ、それを伸ばして自分の持ち味として他者に売り込めるようになるために、1年次秋学期と2年次春学期に短期集中的な学びで各種具体的スキルを習得できる「ラボ演習」を設置する。
  • 7. 学生たちが自分たちのプロジェクトを推進していくために必要となる専門知識と汎用的知力を身につけるための基礎講義科目を、1年次春学期から2年次春学期に設置する
  • 8. プロジェクトごとに必要となる専門知識を学生たちが身につけるための実践講義科目を1年次秋学期から3年次春学期に設置する。
  • 9. 学生たちが取り組んでいくプロジェクトの社会的意義や学術的意義について、関連する社会科学の各種専門的知見に関連させながら理解し、表現できるようになるための関連講義科目を1年次と2年次に設置する。

(2)教育手法

  • 1. 「プロジェクト演習」等の必修科目において、課題解決型学習を行い、これを本学位プログラムの教育の中心とする。
  • 2. 学生が自ら学びつづける力を身に付けるために、自身の学習成果を可視化・言語化(学習ポートフォリオに記録)するためのリフレクションを徹底する。これらは、「キャリアゼミ」や「セルフ・プロデュース」「プロジェクト・オーディション」等の授業科目内および授業外の学生指導においても一貫して行う。
  • 3. 学生のより深い学びを促進するため、「プロジェクト演習」や「キャリアゼミ」の基幹演習科目を複数教員によるチームティーチングで行う。
  • 4. 講義形式の授業においても、学生との意見交換、グループワーク、コミュニケーションペーパー等々、できる限り双方向型の方法を取り入れ、学生の主体的かつ能動的な学びを引き出す工夫を行う。
  • 5. 授業時間外での予復習を積極的に促すため、講義形式の授業においては可能な限りアーカイブ化を行うとともに、LMS等のオンラインツールを積極的に活用した教育を行う。

(3)学修成果の評価

学修成果の評価は、各科目のシラバスに定める到達目標の達成度、各学期に行うディプロマ・ポリシーの達成度自己評価(学習ポートフォリオの記録)、および4年間の学びの集大成である「ともいきプロジェクト演習」の成果等によって行う。その際、学期ごとの履修状況や学修成果を担任教員がチェックする体制を整え、各時期に応じた適切な指導を行う。

Ⅲ.入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

実践社会学科では、地域社会に顕在・潜在しているさまざまな課題にたいして、学生自らが自分事としてかかわり、そこに暮らすさまざまな背景をもった人たちやそこにかかわる行政・民間等の各種団体や組織の人たちと一緒になって悩みながら知恵を出しあい、課題解決のためのプランをつくって実行し、新しい暮らしの豊かさを想像・創造していくことができる人を育てることを目的としています。
本学科での学修においては、探究しつづける意欲・態度、スキルと知識を主体的に獲得する意欲・態度を持ち、社会で求められる「実践力」を身につけるために、以下のような学習経験を求めます。

1.高等学校卒業程度の「必履修教科・科目」を中核とした教科・科目の知識・技能を十分に習得していること。

  • ① 本学科の学修では、プロジェクト等の推進に必要となる専門知識を持ち、地域社会で顕在・潜在している課題にかかわる最新の情報を収集し、それらの知見に基づいた技法を身につけ、実践する力が求められます。そのため、大学入試に使われやすい教科・科目に限らず、自分の見識を広げるために、高等学校で履修してきた各教科・科目において、広く知識・技能を獲得してきた経験を重視します。
  • ② 本学科の学修では、地理・歴史や政治・経済などの多様な視点から社会的事象を解釈するため、高等学校での「地理歴史」「公民」などの学習を通じて、社会に関する正確な基礎知識を有していることが望まれます。また、経済統計や心理統計の手法による調査データの整理・分析・考察を行うため、高等学校での「数学Ⅰ」、「数学A」などの学習を通じた数学の基礎知識や、「情報」の学習で身に付けた基礎的な技能が、学修の大きな助けになります。
    これらの教科に自信がない場合であっても、苦手意識を克服しようとする意欲や、入学後も学修を継続しようとする姿勢を評価します。

2.高等学校における「教科・科目」、「総合的な探究(学習)の時間」、「学校設定教科・科目」などの学習において、自ら学習課題を設定し、創意工夫を行い、その課題の解決に取り組んだ経験を説明できること。

本学科の学修では、客観的データや根拠にもとづいてものごとを予測・判断し、自らの考えを効果的に表現し、他者に説得的に伝える力を育成しています。また、それらの学び・経験を、キャリアゼミ等を通してリフレクションし、言語化するプロセスを繰り返し学びます。それらの活動を通して、理想とする将来の自分の姿に近づくための目標をたて、達成するための効果的なプランをつくって行動できる力を育成します。

3.高等学校の学習において、多くの仲間と協働しながら、各種課題の解決に主体的に取り組んだ経験を説明できること。

本学科の学修では、プロジェクト演習やラボ演習の中で、多様な生き方や価値観を持つ人々とともにフィールド(現地)でプロジェクトを推進していきます。チームで活動する経験を通じて、成功・失敗の経験を得ながら、自分の役割をみきわめ、主体的に行動する力を養います。
そのため、高校までの取り組みにおいて、多様な人たちと交流する機会を自ら持ち、ともに課題の解明・解決に向けて取り組んだ経験や、よりよい人間関係を見つけ出した体験を重視します。高等学校までの経験では、「総合的な探究(学習)の時間」や「学校設定教科・科目」や「生徒会活動や学校行事」はもちろんのこと、「部活動」、「ボランティア体験」、「就業体験・職場体験」などにおいて、多様な能力や個性を持つ仲間と知恵や工夫を出し合いながら、課題の解明・解決に導いた経験やその成果物、あるいは、新たな課題を発見した経験を重視します。

AP補記:上記3つのAP項目は、学力の3要素と以下の対応関係にあります。

AP項目学力の3要素
AP1 高等学校卒業程度の「必履修教科・科目」を中核とした教科・科目の知識・技能を十分に習得していること。 知識・技能
AP2 高等学校における「教科・科目」、「総合的な探究(学習)の時間」、「学校設定教科・科目」などの学習において、自ら学習課題を設定し、創意工夫を行い、その課題の解決に取り組んだ経験を説明できること。 思考力・判断力・表現力
AP3 高等学校の学習において、多くの仲間と協働しながら、各種課題の解決に主体的に取り組んだ経験を説明できること。 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

臨床心理学科の三つの方針
(2020年4月1日改定・2021年度入学生より適用)

Ⅰ.卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

臨床心理学科(以下、「本学科」という)では、本学科の課程を修め、124単位の単位取得と必修等の条件を充たしたうえで、建学の理念である共生(ともいき)の態度を身につけるとともに、臨床心理学の専門知識と技能を習得し、下記の能力と資質を備えた人材を育成することを教育目標とし、下記の力を身につけた人に対して学位を授与します。

  • (1) 自律性(自律的で意欲的な態度)
    社会生活を営むうえでの自らの課題を自覚し目標を設定することができ、その実現のために自ら考え、自らを律しつつ意欲的に行動することができる能力。
  • (2) 専門的知力と応用力
    学士に相応しい教養知をもとに、臨床心理学の諸領域についての基本的知識を身につけ、個別的こころと普遍的こころの多層性を理解するとともに、客観的データの意味を理解・説明・活用する能力。
  • (3) 社会実践力(社会参与力)
    心理職としての臨床場面のような専門領域に止まらず、あらゆる職場・社会組織・地域社会など、社会の様々な場面において、臨床心理学の体系的知識と技能を活用して社会の諸課題を理解・分析し、社会のニーズに応えるべく取り組む能力。
  • (4) コミュニケーション力(人間関係構築力)
    他者の立場に立って物事を考える共感的態度をもち、対話と意見交換を通して、様々な立場の相違を克服し、協働して問題解決にあたる能力。
Ⅱ.教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学科では、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ ポリシー)に掲げた目標を達成するために、共通教育科目、専門教育科目を体系的に編成し、講義、演習、実習を適切に組み合わせて開講します。カリキュラム体系を示すために、科目間の関連や科目内容の難易度を表現する番号をふるナンバリングを行い、カリキュラム構造を明示します。教育内容・方法・評価については次のように方針を定めます。

(1)教育内容

  • ① 全学共通科目を通して幅広い教養と学習スキルを習得し、大学教育への適応を図るとともに、臨床心理学に対する興味と理解を深め、体系的に学ぶための基礎能力と態度を獲得し、社会に進出してから「ともいき人材」として活躍できる基礎となる教養教育を行います。
  • ② 学びにおける主体性と自律性を重視し、1年次から4年次までの全学期に演習を必修科目として配当し、その担当教員が学習面と生活面で助言を行うアドバイザーとして指導にあたります。
  • ③ 専門科目は講義科目、演習科目、実践演習科目の形式で1年次から4年次まで重層的に配当し、こころの深層・力動・多様性と普遍性及び、行動のメカニズムについて重点的に学修し、専門的実践力を高め臨床心理学の根幹となる知的・体験的教育を行います。
  • ④ 心理査定・実験・統計・研究法関連科目を通して、客観的かつ実証的検証方法と分析方法を学修し、心理専門職としての基礎的素養と研究能力を身につけるとともに、心理職以外の社会活動でも活用できる実践的能力を身につけることを目標にした教育を行います。
  • ⑤ 1年次からキャリア関連科目を配当し、臨床心理専門職以外の領域への社会進出に備え現場実践力を高める教育を行うとともに、資格関連科目を配当し、臨床心理学隣接領域の専門職資格取得を目標に学修します。

(2)教育方法

  • ① 学びにおける主体性と自律性を高め、自発的な学修を督励するために、全学共通科目のみならず専門科目においてもアクティブラーニングを取り入れた教育を実施します。
  • ② 専門科目においても、学びの達成度のフィードバックを積極的に行い、学生自身が自らの学びの主体となるよう努力します。
  • ③ 多岐にわたる臨床心理学専門科目群の中から、2年次からは自らの適正と興味を発見し、自らの学修モデルを定め、アドバイザー教員との面談を通して適宜修正しながら、卒業まで計画的に学修できるよう努力します。

(3)教育評価

  • ① 4年間の総合的学修成果の評価は、卒業論文の作成を義務づけ、複数の教員によって評価することによって行います。
  • ② 科目別の評価は、当該科目のシラバスに定める到達目標の達成度と、その他適切な方法で行います。学生個人の総合評価は、これらの評価に卒業論文の評価を含め総合的に行います。
  • ③ 学修成果の評価に際しては、ラーニング・ポートフォリオやルーブリックなど最新の効果的な方法を積極的に取り入れ、客観的な評価に努めるとともに、学生が自らの学習成果を確認しながら学習を計画・管理できるように工夫しながら行います。
Ⅲ.入学者選抜の方針(アドミッション・ポリシー)

臨床心理学科は、自律的で意欲的な態度・他者の気持ちに共感する力・コミュニケーション能力を基盤に、身に付けた専門知と応用力を諸課題に対して実践・活用することによって、「自己と他者がともに幸せを感じられる社会」(ともいき)の実現に貢献できる人材の育成を目的としています。
本学科での学修においては、さまざまな領域での「ともいき」の実現に向けて、人とこころに対する健全な関心と、自己を知り他者と関わろうとする意欲・態度を持つとともに、以下のような学習経験が求められます。

1.高等学校卒業程度の教科学習の知識を正しく有していること。

  • (1) 臨床心理学の学修では、多様な考え方や生き方を受け止める態度と、客観的に理解する能力を磨き上げていきます。自分が知っていることだけで物事を理解するのではなく、聞いたこともないような未知の物事や考え方を受け止め、理解することが大切になります。
    そのため、高等学校までの学習において、自分の見識を広げるために、どの教科においても広く知識を獲得しようとした経験を重視します。大学受験に使われやすい教科・科目に限らず、教科学習全般に取り組むことが望まれます。
  • (2) 本学科では、様々な講義・演習で人のこころを学ぶため、高等学校での「国語」や「英語(外国語)」などの学習を通して、基礎的な読解力や語彙力、文章構成力を身に付けていることが求められます。
    また、心理統計の手法による実験・実習を行うため、高等学校での「数学Ⅰ」、「数学A」などの学習を通して、数学の基礎的な知識を身に付けていることが望まれます。加えて、心理学の基礎として人体についての理解を深めるため、「生物」や「保健」の基礎的な理解があることが、学修の大きな助けになります。
    これらの教科に自信がない場合であっても、苦手意識を克服しようとする意欲や、入学後も学修を継続しようとする姿勢を評価します。

2.言語/非言語活動を通した学習経験を活用できること。

本学科では、実際に見たり触れたりできるものだけでなく、人のこころのありようを理解し、考察し、意見交換を通して学修を進めます。その学びの基礎となるのは、物事を客観的に理解し、自ら考え、判断し、表現する力です。
そのため、言語/非言語両面に関する学習成果を重視します。高等学校での学習においては、「国語」や「英語(外国語)」などの学習を通して、物事を考察し、情報の収集や選択をする力が身に付いていることが望まれます。また、「美術」や「音楽」などの芸術活動で磨かれた感受性や表現力、「体育」などの身体活動を通して身に付けた判断力や伝達力が、学修の大きな助けになります。これらの学習機会に積極的に取り組み、その経験や成果を説明できることが求められます。

3.多様な人々との交流の中で、ともに課題に取り組み、解決に向けて尽力した経験について説明できること。

心理学の中でも「臨床」に重点を置く本学科の学修では、個人の”物語”に心を寄せ、向かい合うことを重視します。その基礎となるのは、心の多様性や揺らぎに寄り添う「傾聴」の姿勢と「共感」的態度です。
そのため、多様な人々と交流する機会を自ら持ち、ともに課題に取り組み・解決に向けて尽力した経験を重視します。高等学校までの学習においては「部活動」「委員会」や、「総合的な学習の時間」等の探究型学習、「体育祭」「文化祭」「合唱コンクール」などを通して、グループやチームの仲間と知恵や工夫を出し合いながら、ともに課題を解明し、解決に向けて取り組んだ経験を重視します。また、ボランティア活動や職業体験などの活動において、様々なライフステージにある多様な人々と出会い、交流した中で得られた学びについても重視します。

2017年4月1日改定・2018年度入学生より適用

こども教育学部
こども教育学科の三つの方針
(2020年度入学生より適用)

I.卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

こども教育学科では、京都文教大学がめざす「ともいき(共生)力」を基盤に据えながら、小学校教員・幼稚園教員・保育士の養成教育課程を通して、こどもの教育・保育に携わるための専門的かつ総合的な知識・技術や実践力を持ち、「こどもの最善の利益」を第一に考え行動できる人材を育成します。
特に、現場での教育・保育実践を重視し、教育・保育者として「学び続ける」ことができ、個々のこどもやその家族背景などを理解して教育・援助を行うという「臨床学的なこども教育」の視点を持つ、実践力のある人材を育成します。
具体的には、こどもの専門職である教育・保育者として、下記の力を発揮できるための知見と感性を身につけた人に対して学位を授与します。

(1) 教育・保育者として必要な資質・能力

  • ・教育・保育専門職の基盤となる使命感、倫理観、教育的愛情を有すること。
  • ・教科・領域内容の理解と授業・保育展開についての構想と評価能力を有すること。
  • ・個と集団の育成と指導について計画、指導・支援、評価を行うことができること。

(2)「臨床学的なこども教育」の視点に基づく資質・能力  

  • ・こどもの個性や多様性を深く理解し、こどもを取り巻く状況について多面的に把握できること。
  • ・深いこども理解に根ざした公正的・受容的態度で、こどもを指導することができること。
  • ・教育・保育者の立場から、保護者をはじめとする関係者に対する相談援助を行うことができること。

(3) 教育・保育者として「学び続ける」ことのできる資質・能力

  • ・自己省察力と課題探究力をもって学問的知識や探究方法を学び続けることができること。
  • ・チームや組織、地域社会の一員としての自覚を持ち、他者との適切な関係と協力のもとに実践を継続して、教育・保育者としての資質・能力を高めることができること。
  • ・教育・保育活動を通じて豊かな地域社会づくりに貢献できること。
Ⅱ.教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学科では、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた目標を達成するために、以下のような教育課程、教育方法、教育評価の方針に基づいて教育を行います。

(1)教育課程の編成

  • 1. 確かな学力を身につけさせ、個々の子どもを理解し支援できる実力ある教師・保育者を養成するために、本学科に小学校教育コース、幼児教育コースの2つの履修コースを設置する。
  • 2. 実力ある教師・保育者を目指して「学び続ける姿勢」を身につけるために、各年次に配置されているゼミ科目体系と、同じく各年次に配置されているインターンシップ・各種実習などの科目体系を、教育課程の中核に据える。
  • 3. 実力ある教師・保育者を養成するために、各免許・資格課程で定められている講義科目と演習科目(実技科目を含む)を学修段階に沿って各年次に配置し、2.で示した「ゼミ及び各種インターンシップ・実習」と連動させた形で教育課程を構築する。
  • 4. 個々の子どもや家族を理解し支援できる教師・保育者を養成するために、子ども理解・支援に関する科目を、学修段階に沿って各年次に配置する。2. 3.の科目群に対して相互補完的に学修出来るように、それらと連動した教育課程体系を構築する。
  • 5. 4.で養成する資質・能力を更に高めるために、本学科独自の専門科目群として、教育隣接領域の幅広い専門知見から、教師・保育者が必要とする内容を選りすぐった「発展科目群」を設定し、卒業必修単位として高年次を中心に教育課程の中に位置づける。更に、臨床心理学科に設置されている臨床心理学専門科目など、本学他学科科目・単位互換科目などの履修を通じて、知見を広げることを推奨する。
  • 6. 将来の現場実践に資するために、器楽・造形・体育・遊びなどの技能修得科目を選択科目として設定し、少人数体制で学修する。

(2)教育方法

  • 1. 教育実践現場や、実際の子ども達からの学びを深めるために、大学と教育現場を往来して学ぶ「現場往還教育」を重視し、4年間を通して現場から学修する機会を設定する。また、担当教員と現場実践経験が豊富な教職サポートセンター職員との緊密な連携による、「現場実践教育」を展開する。
  • 2. 資格取得に必要な各講義科目・演習科目の全てにおいて、必要とされる教育学・保育学の専門知見の修得による学力の形成と、それらの専門知見が個々の子ども理解・支援にどのように役立つのかを学ぶという、ディプロマ・ポリシーに定めた「二方向の学修意図」が総合的に達成されるように、設定される全専門科目のシラバス構築や授業展開の際に考慮する。
  • 3. ゼミ教育を重視し、1年次から4年次まで、すべてのセメスターで少人数ゼミ形式の授業を設定する。ゼミ担当教員は、ゼミ学生の履修指導や就職支援など、担任として種々の面からサポートする。
  • 4. 多様な教育実践力を主体的に身につけるために、アクティブラーニングを積極的に導入する。また教育・保育・福祉ボランティアなどの課外活動への参加を積極的に推奨し、教職員がサポートする。
  • 5. 4年間をとおして開設されている、インターンシップ・各種現場実習などの運営や履修などについては、免許・資格課程委員会において随時マネジメントし、実習実施体制の確保、実習機関との調整、各学生の履修指導などを行う。
  • 6. 先輩から後輩への体験の伝承を重視し、学生のキャリア形成に資するために、実習報告会、卒論発表会、卒業生との交流会などを開催する。

(3)教育評価

  • 1. 学生レベルの評価は、各科目のシラバスに定める到達目標の達成度、教職・保育職履修カルテ評価項目、ディプロマ・ポリシー記載事項に対する到達度、および卒業論文の成果等によって行う。評価は基本的に学期毎に行う学生による自己評価と教員によるチェックの双方向評価体制によって行い、各時期に応じた適切な指導を行う。
  • 2. 学科レベルの評価は、別途定めるカリキュラム・アセスメント・ポリシーにより行う。具体的には、ディプロマ・ポリシー記載項目への到達を最終目標とし、カリキュラムマップ及びカリキュラムチェックリストを評価尺度としながら、学科全学生の単位修得状況、及び1.に示した各評価項目の学科全体の動向などについて、継時的・統計的に把握することによって行う。
  • 3. 教育評価に際しては、全学的に導入されている「自己評価システム(アセスメンター)」を積極的に活用する。また、評価の信頼性・妥当性を高めるために、学生による自己評価を各学年のゼミ授業内で取り組ませ、併せて学生に対して「自己覚知を促すリフレクション活動」をその都度行う。また、客観的な評価方法を確立するために効果的なツール(ルーブリックなど)の積極的な活用を検討する。
Ⅲ.入学者選抜の方針(アドミッション・ポリシー)

こども教育学科は、教育・保育者を目指す学生に対して、必要な専門的な資質・能力の育成を目指し、一人一人の子どもの心身の発達の段階や特性を考慮し、その家族背景なども十分に理解して「教育及び援助を行うことができる実践力」を身に付けるとともに、教育・保育者として「学び続ける」ことができる生涯学習の力を磨く基盤を形成することを人材育成の目的としています。本学科での学修においては、よりよい社会(ともいき社会)の実現に向けて探究しつづける意欲・態度を持つことができるよう、以下のような学習経験を求めます。

1. 高等学校卒業程度の「必履修教科・科目」を中核とした教科・科目の知識・技能を十分に習得していること。

幼稚園・小学校教員、保育士の養成を目指す本学科の学修ではこれまで知らなかった事柄や考え方をたくさん学ぶことを求めます。大学受験の際に課せられる教科・科目に限らず、高等学校で履修してきた各教科・科目において広く知識・技能を獲得してきた経験を重視します。
また、次の2でも、あげているように「言語活動」を重視しているため、「言語活動」と深い関わりをもつ「国語」科に関する学習成果を特に重視します。

2. 高等学校における「教科・科目」、「総合的な学習の時間」、「学校設定教科・科目」などの学習において、自ら学習課題を設定し、創意工夫を行い、その課題の解決に取り組んだ経験を説明できること。

教員や保育士の職業的能力には、一人一人の子どもの心身の発達の段階や特性に応じた「多面的な理解力」とともに、活動の状況や場面を考慮した「多面的な対応力」が求められます。
このために、本学科では、教育や保育に関わる多岐にわたる専門的な資質・能力を涵養するために、目的に沿った学習計画(時間割)を自ら作成し、ゼミ(演習)や卒業研究では、自らの問題意識や研究テーマに沿った探究・集約・発表といった学習に取り組まなければなりません。そのため、高校までの経験では、「教科・科目」、「総合的な学習の時間」、「学校設定教科・科目」などの探究型学習において、自らの課題に対して推論を立て、様々な角度から課題の解決の方法を考えたり、また、その取り組みの過程を振り返ってさらなる改善方法を見出したりするなど、自ら考え、正しく判断し、表現できるといった豊かな経験を重視します。
また、教育・保育には「子どもの心身の育成に関して、様々な人々と連携しながら取り組む活動」といった特徴があるため、本学科では、他者との間で様々な事柄の意味を受け止め、話し言葉や書き言葉を用いて伝達しあい、その内容を内省・理解する力を育成しています。そのため、高校までの学習経験では、言語に関する関心や理解の深さ・言語に対する能力は、思考力・判断力・表現力等を育む重要な観点であるため、「言語活動」に関する学習成果を重視します。

3. 高等学校の学習において、多くの仲間と協働しながら、各種課題の解決に主体的に取り組んだ経験を説明できること。

教員や保育士に必要とされる「学び続ける」力の育成には、解決に骨の折れる課題や正答が一つに定まらない課題などに直面した場合に、その課題の解決を目指し積極的にねばり強く取り組んでいく主体性が特に大切です。同時に、多くの仲間と協働しながら、また、同じ仲間でも見方・考え方の異なる者も当然いるけれど、その協働活動の結果には妥当だと思う答え(妥当解)を設定できることが求められます。本学科では、小学校、幼稚園、保育所、児童福祉施設でのインターンシップや実習などに、自発的・主体的に参加・参画し、体験的に学ぶこと、また、アクティブ・ラーニングなどを取り入れた講義や演習に、多くの仲間と共に積極的に参加・参画し、意欲を持って学習を進めていくことを重視しています。
高校までの経験では、「総合的な学習の時間」や「学校設定教科・科目」や「生徒会活動や学校行事」はもちろんのこと、「部活動」、「ボランティア体験」、「就業体験・職場体験」などにおいて、多様な能力や個性を持つ仲間と共に課題や活動に取り組んだ経験を重視します。

臨床心理学研究科の教育理念と3つのポリシー

<教育理念>

本研究科は、本学設置の理念である「ともいき(共生)」の精神のもと、臨床心理学の研究ならびに心理臨床の活動に携わる実践的な指導を通して、臨床心理士および公認心理師として必要な専門的知識、技術、態度、視点を身につけ、多様な心理臨床の現場において、臨床心理学的対人援助を展開することができる人材の育成を目的とする。
また、博士後期課程では、上記に加えて、それまでに身につけた臨床心理学専門知識、技術、態度、視点をさらに深化、充実させた研究、教育を展開することができる人材の育成も目的とする。

Ⅰ.学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

臨床心理学研究科では、教育の理念を踏まえ、以下の能力を身につけ、定められた課程を修了し、学位論文の審査に合格した者に修士または博士の学位を授与する。

【博士前期課程】

(1)心理臨床家としての自律性

  • 対人援助場面での援助課題を自覚し、目標を設定することができる。
  • 援助目標に対して自ら考え、主体的に行動することができる。
  • 被援助者への共感的理解を示しつつ、専門家としての自律性を保つことができる。

(2)心理臨床家としての職業倫理の確立

  • 継続的に学んで、研鑽を積む姿勢を身につけている。
  • 専門行為における人権意識、研究倫理を身につけている。
  • 専門家として、多様な援助技法、多様な援助対象者、多様な価値観に開かれている。

(3)心理臨床家としての幅広い知識の涵養とその応用

  • 臨床心理学の諸領域についての幅広い専門的知識を有している。
  • 対人援助につながる社会の諸問題やニーズを理解している。
  • 援助に役立てるための学術的成果を理解し、応用することができる。
  • 臨床的事実を客観的に把握し、その心理学的意味を理解し、学術研究としてまとめ、援助に役立てることができる。

(4)心理臨床家としての援助技術の習得とその応用

  • 幅広い心理査定技法を習得している。
  • 幅広い心理面接技法を習得している。

(5)心理臨床家としての、社会に開かれた地域援助の実践力

  • 多職種で連携し、問題解決にあたることができる。
  • 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行なうことができる。

【博士後期課程】

多様な心理臨床の現場において、臨床心理学的対人援助の実践を展開する上で必要な高度な専門的知識、技術、態度、視点を身につけている。そして、自身の心理臨床実践を振り返り、この領域に寄与し、臨床心理学の発展につながる研究を主体的に推し進め、その成果を踏まえて後進の臨床実践の指導にあたることができる。

Ⅱ.教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)

臨床心理学研究科では、次のような教育方針にそって教育課程を編成する。

【博士前期課程】

多様な心理臨床の現場において、臨床心理学的対人援助の実践を展開する上で必要な専門的知識、技術、態度、視点を身につけており、心理臨床実践を振り返りこの領域に寄与する研究に取り組むことができる。

  • (1) 臨床心理学の研究を通して、臨床心理学をはじめとする諸科学の成果にアクセスし、必要な知識を引き出し分析する専門的なアカデミックスキルを身につけさせる。
  • (2) 心理療法の実践経験を通して、共感的に他者を理解する姿勢、他者との相互交流に開かれた態度、および倫理観を身につけさせる。
  • (3) 心理療法、心理査定の理論的学習と実践経験を通して、臨床心理学の専門知識と観察事実を統合し、問題を分析する技術と視点を身につけさせる。
  • (4) 心理臨床が展開する場の構造を分析する視点を身につけさせ、多様な現場で有効な実践を展開させる適応力を備えさせる。
  • (5) 他者の心を理解する前提として、自分の心についての感受性を磨き、自己理解を深める態度を養う。

【博士後期課程】

臨床心理学専門領域において優れた博士論文を作成でき、さらには自立した研究者および指導者となることができるように研究指導科目および臨床研究科目と有機的に連携させた教育課程を編成する。
研究指導は、学生と教員との研究の進捗状況に即した資料および論文草稿を基にした対話を中心として行われ、履修要項に記載されている博士論文作成の流れに則って研究を進めていく。

Ⅲ.入学者選抜の方針(アドミッション・ポリシー)

臨床心理学研究科では、次のような学生を求めている。

【博士前期課程】

  • (1) 基礎的な臨床心理学の知識と技術をバランスよく身につけ、臨床心理学的な対人援助の実践に献身したいと思う者。
  • (2) 臨床心理学の知識や技術の学習に必要な基本的なアカデミックスキルとコミュニケーション力を持つ者。
  • (3) 自分自身と全体的に向き合い、対人関係に自分を活用できる自己理解力、および他者の心と全体的に向き合い、尊重できる対人関係力を持つ者。

【博士後期課程】

臨床心理学専門領域の修士に相応しい知識・技能及び研究成果を有しており、臨床心理士および公認心理師のいずれかの資格を取得した者、もしくはその見込みのある者で、研究者および心理臨床家として社会に貢献したい意欲を持つ者。
臨床心理学博士の学位取得に向け意欲的に研鑽を重ねるとともに、臨床心理学を幅広い視野をもって捉えることのできる者。

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